取り壊された両親の家にも屋根裏部屋があった。それは西欧風のものにはほど遠く、換気も採光もない狭くるしい場所ではあったが、それでも、そのおかげでかなりの“無価値な物”の保有が可能になったことは確かだ。そこから運びだされて、また運びこまれた荷物の中には、ぼくや弟の幼い頃の学校のノートや、家族のアルバムがあった。同じように、あちこちと移動して今はぼくの家に収まった物の一つに、古ぼけた籐細工の籠がある。これはぼくが幼い頃に、玩具箱がわりに使っていたものだそうだが、そう聞けばなんとなく見覚えのあるこの籠は、次男のおしめ入れとして活用された後、彼が成長した今では長男と共用でまた玩具入れの一つになっている。
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こういうガラクタまで取っておいたのだから両親の家の荷物が増えたのは当然で、その物への執着にはやや呆れるばかりだが、四十年近くを経た籐の籠がまだ生きて使われているのを見るとそのたびに一抹の感傷に襲われざるを得ず、その瞬間には、平素憎まれ口をきくことの多い両親に対して妙に素直な気持になる。