住宅は、人間の存在の深いところを支えている。その意識をひとつ屋根の下で暮らす者が、うまく共有できないだろうか……。「見つめる会」の実態報告書は、議事録や契約書をもとに管理人の業務に関する疑いを解いている。千七百万円しかないと言われた修繕積立金は、住宅宅地債権、定期預金、普通頭金合わせて五千万円ちかく残っていた。住民が月々支払う管理費は、近隣の同規模のマンションよりも、むしろ安かった。くすのきハイツの一戸当たりの管理費+積立金は、月平均で一万六一九七円。
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近隣の築七年・一五一戸のマンションは二万七四七三円、五四戸・築十三年のところは二万八五二円、一六〇戸・築二四年では一九三五七円……となっていた。管理人夫妻が住み込みで管理業務に携わっているが、戸当たりの管理費そのものは高いとはいえないようだ。少しずつマンションに垂れ込めた霧は晴れ、一般の住民にも情報が開示されていく。が、しかし……理事長派と副理事長派の諍いは収拾がつかない。このままでは理事会運営が頓挫して、管理組合活動が止まってしまう。理事会は、最終的に喧嘩両成敗の断を下す。「マンションを混乱させた責任をとって理事全員が辞める」という解決案がまとめられた。