家というものは、自分たちのライフスタイルに合わせてつくらなくてはいけないものなのだと気付いたときに、本当に役に立ったのは、主人が蓄積していた基礎的な知識だった。だが、この時点では、私はそれに気付かずに、先端を行く住宅を建てようと意気込み、主人を振り回していたように思う。もともとが、新しもの好きでノーテンキな性格だから、本質よりも派生的なものに目が向きやすい。家がどうあるべきかというよりも先に、家の窓は「ノルド」がいいか「アンデルセン」がいいか(両社とも欧米の窓枠メーカー)と迷い、コンランショップにある間仕切りをリビングに置くには、どういう間取りが映えるだろう」などと、瓊末なことで資料を取り寄せたり、頻繁にショールームに足を運んだりしていた。
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そのために、毎日が大忙しだった。今思えば、こうしたことが、家の本来あるべき姿を逆に見えにくくしていることに、当時の私は、まったく気付いていなかった。